土葬のお骨は何年で土に還る?
山口 博士
お骨は何年で土に還る?
実は、埋葬された場所によって違うんです
お墓のリフォームや移設工事をしていると、お客様からこんな言葉を聞くことがあります。
「亡くなってから、ずいぶん年月が経っているのに、
お骨ってまだ残っているんだね!」
確かに、そう思われるのも無理はありません。
人は亡くなると、いつか土に還る。
そんなイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか。
ところが、実際には、お骨が土に還るまでの年月は一概には言えないんです。
特に、昔の土葬のお墓では、
埋葬された場所の土の状態によって、
お骨の残り方が大きく違います。
例えば、
水分が多い場所では、お骨がほとんど残っていない場合があります。
反対に、水はけの良い場所では、何十年という年月が経っていても、
頭蓋骨や太い大腿骨などが、原型をとどめて残っていることもあるんです。
僕も石材店の仕事を通じて、これまで何体も土葬のお墓からご遺骨を掘り出す経験をしてきました。
その中で、今でも忘れられない光景があります。
僕がまだ20代後半の頃、
土葬されていた方の御遺骨を掘り出した際、
その方のお子さんと思われるご年配の男性(80才ぐらい)が、頭蓋骨を手に取り、泣きながら水道で洗っていらっしゃいました。
おそらく、若い頃に亡くされた親御さんのお骨だったのでしょう。
その姿を見て、
お墓の移設という仕事は、単にお骨を移動させるだけではないのだと感じました。
長い年月を経て、もう一度、大切な人と向き合う時間でもあるのです。
お骨がどれだけ残っているかは、埋葬された環境によって違います。
しかし、ご家族が故人を思う気持ちに、年月は関係ありません。
新しい墓所への埋葬を終え、お施主様から「ありがとう」と言っていただくたびに、この仕事の意味を改めて感じます。
お墓は、亡くなった方を納める場所であると同時に、残された家族の思いをつなぐ場所なのかもしれませんね。
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